



インドネシア・スマトラ島ブンクル ルジャン人 木綿縞格子 金属モール縫取織 肩掛け
製作地 インドネシア スマトラ島 ブンクル bengkulu
製作年代(推定) 20世紀初期
素材/技法 木綿、天然染料、金属モール糸、鉛片 / 平地縞格子 ※赤の緯糸及び縁部の経糸は引き揃え双糸、縫取織(モール糸)、緯紋織(白糸)
サイズ 幅:52cm、全長:148cm(タッセル部分除く)
一見するとシンプルな均等平地による赤青二色の縞格子織物とも思えますが、実際には引き揃え双糸を織り入れて単糸×単糸では表現できない色柄表情・硬質感を生み出している高度な技巧の染織作品となります。
下の光学顕微鏡画像で確認できるように、赤の緯糸は”引き揃え双糸”が入れられており、青の緯糸の織り入れとは異なる打ち込みの密度としている... 縁部では経糸にも赤の双糸を用いて経地合とすることで青を消す(薄くする)視覚効果を生み出している... 製作にあたって緻密な計算が加えられている様子を全体及び細部の観察により確認することができます。
この織物の糸遣い・組織表情を目にしていると、自ずと南蛮貿易でインドから日本にもたらされ大名・茶人・数寄者が愛蔵した”唐桟留”が頭に浮かびますが、モール糸の使用を併せ、近世インド染織の影響を多大に受けていることは明らかで、”唐桟・奥嶋”の時代から数百年にわたり伝統技術を継承し守り続けてきた貴重な現存織物と位置づけられます。
なお、金属モ-ル糸と絵緯の装飾が加えられたエンドボーダーは上下で色濃淡と幅(経寸)が異なりますが、両ボーダーに柄変化を加えることがこの手のルジャン織物の特徴であり、本布では赤系の糸を桃・朱赤・紅赤と使い分けることで色彩を変えております。モール糸については製作当初から銅製モールであったのか、表層に別金属によるメッキか箔の加飾がなされていて経年変化により消失したものなのかは不明です。先端に小タッセルとして付された様々なカタチ・大きさの鉛片はブンクル及びパセマ地域の織物に顕著に見られるもので、装飾性とともに軽やかかつ涼やかな音を奏でます。
海洋交易時代の木綿嶋物の表情・精神性を宿す、ブンクル染織のアンティーク逸品です。






(下は光学顕微鏡による画像)






(online shop記載 コンディションについての参照画像)
