ラオス北東部フアパン 天然染色・伝統織物の完成美

精霊信仰 シャーマン装束 シン・ピー
精霊信仰 シャーマン装束 シン・ピー

ラオス タイ・デーン族 絣&縫取織腰衣シン・ミー・ター
製作地 ラオス北東部 フアパン県 Hua Phan
製作年代(推定) 20世紀前期 1920-1940
民族名 タイ・デーン族 Tai Daeng
素材/技法 絹(カンボウジュ種)、木綿、天然藍、天然染料(ラック他) / 平地交織、緯絣、緯紋織、縫取織
サイズ 全巾(経)132-138cm(筒状縫製)、全丈(緯)88cm(腰布部:22cm、裾布部:6cm)

一見して、作り手の志向する色が見事に現出した、製作に成功したであろうことが伝わる一品。取り分け、ラックカイガラムシから抽出された染料による”赤”の色合いの明瞭さと力強さ、”紺”絣部分とのコントラストの効力は際立っています。


“シン・ミー・ター(sin mii taa)”とは、スカート本体の装飾が絣と紋織がバンド状に交互に配されるデザイン構成の作品を指すものですが、中でも本品のように経糸に赤(ラック染め)の絹が配され、緯糸に藍木綿と赤絹の絣糸が交織されることにより、“紺絣”(絹×木綿)と“赤絣”(絹×絹)の二色表現がなされるものは、タイ・デーン族の手によるシン・ミー・ターの典型様式となります。

①絹絣、②絹綿交織絣、③縞、④緯紋織、⑤縫取織と様々な技法がひとつの織物中に加えられており、ラオス伝統染織における染め・織り双方での技術の高さと特徴を本作品から伺うことができます。

本品は祝祭時や宗教儀礼の際に用いられる特別な作品で、二色の絣部分には“ナーク(蛇龍神)”が力強い具象モチーフで描かれ、それをバンド状に挟む紋織部分には、多色の縫取織を交え、浮文の技巧により菱格子や蔓枝状の繋ぎ文が繊細かつ立体的に織り込まれ、普段着用のシンとは異なる荘厳さを感じさせるものとなります。

絣模様の荘厳度合いと縫取織の手の込み様から、シャーマンが用いた”シン・ピー(sin phii)”であった可能性が考えられます。

瑞々しい生命感と独自の濃密な精神性が薫る逸品、全体及び細部に美が宿っています。

精霊信仰 シャーマン装束 シン・ピー
ラオス タイ・デーン族 絣&縫取織腰衣シン・ミー・ター
ラオス タイ・デーン族 絣&縫取織腰衣シン・ミー・ター
ラオス タイ・デーン族 絣&縫取織腰衣シン・ミー・ター。ラックカイガラムシから抽出された染料による”赤”の色合いの明瞭さと力強さ、”紺”絣部分とのコントラストの効力は際立っています。
ラオス タイ・デーン族 絣&縫取織腰衣シン・ミー・ター
ラオス タイ・デーン族 絣&縫取織腰衣シン・ミー・ター。①絹絣、②絹綿交織絣、③縞、④緯紋織、⑤縫取織と様々な技法がひとつの織物中に加えられており、ラオス伝統染織における染め・織り双方での技術の高さと特徴を本作品から伺うことができます。
精霊信仰 シャーマン装束 シン・ピー

(下は光学顕微鏡による画像)

(online shop記載 コンディションについての参照画像)

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