包み裂④ 古渡インド更紗 白地鶏頭手

古渡インド更紗 白地鶏頭手。白木綿に茜赤一色染めの小文様というシンプルな意匠のインド更紗ですが、糸・布・色に17-18世紀にもたらされた古渡更紗たる古格と凄みが実感される一枚です。antiques AEO LIFE MARKET <アンティーク染織・古裂・骨董 イオ・ライフ・マーケット>ブログ掲載。
古渡インド更紗 白地鶏頭手 包み裂。17-18c古渡更紗。antiques AEO LIFE MARKET <アンティーク染織・古裂・骨董 イオ・ライフ・マーケット>ブログ掲載。

白木綿に茜赤一色染めの小文様というシンプルな意匠のインド更紗ですが、糸・布・色に17-18世紀にもたらされた古渡更紗たる古格と凄みが実感される一枚です。

十数cm巾の布二枚を接ぎ合せて”包み裂”としており、掛け軸等の”表装裂”の残りを用いて後年仕立てられたものと推察されますが、ほんの数cm四方の極小裂でさえ大切に扱われ手鑑(裂帖)に貼られたり、端縫い衣裳の部分とされた正真の鶏頭手(けいとうで)古渡更紗であり、本包み裂はむしろ堂々たるサイズ感を有するものと賞してよいもののように思われます。

花卉・小花模様のインド型更紗のうち、雄鶏のトサカ(鶏頭の花)に見立てることのできるものは取り分け日本において数寄者の寵愛を集めましたが、これが万葉の時代に詠まれた”カラアイ(唐藍・韓藍)”から脈々と伝わる美の遺伝子であるからに他なりません。

1cm大の模様が散りばめられたこの鶏頭手更紗は、見れば見るほど花のギザギザが繊細かつ端整で茜赤の色味にキレがあり上手(じょうて)です。布・模様・色の詳細が予め指定され、日本からの発注で製作されたものである可能性を指摘することができます。

古渡更紗鶏頭手。紅毛船舶載裂。
古渡インド更紗 白地鶏頭手 包み裂。

古渡インド更紗 白地鶏頭手 包み裂
製作地 インド 北西部
渡来地・使用地 日本
製作年代(推定) 17-18世紀 江戸時代初中期 ※包み裂の仕立ては後世
素材/技法 木綿、天然染料 / 木版捺染、媒染、片面染め
サイズ 縦27.5cm×横30cm(二枚接ぎ)

(下は光学顕微鏡による画像)

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