遊牧民カッチィ・ラバリ 刺繍サッシュ ボカニ

インド・グジャラート 遊牧民カッチィ・ラバリ 刺繍サッシュ ボカニ
インド・グジャラート 遊牧民カッチィ・ラバリ 刺繍サッシュ ボカニ

インド・パキスタン分離期の前後に手掛けられた、古手の婚礼用刺繍サッシュ”ボカニ”。

まだ諸民族間の職能共同体が保たれ機能していた時代の作例で、手吹きガラス製法による鏡片、上質な地産絹による朱子織布、木綿糸・絹糸・絹釡糸を交えた表情豊かな刺繍、様々なカタチの鏡片を巧みに縫いつけるシーシャステッチ等... ラバリ以外の諸民族の専門手仕事が加わった融合工藝品としての密度の高さが伝わる小品です。

抽象化されているものの、サッシュの先端には遊牧民ラバリにとって最も重要な”ラクダ”と”地母神”のモチーフが描かれ、外側から何重にも囲われたフィールド内は”羊”を守りながら遊牧生活を行う土地を表すものとして邪視除けの”鏡片”、豊穣を象徴する”花メダリヨン”が大きく描かれ、布四周には富を象徴する貝ビーズを付した多色糸のボンボンタッセルで彩られと、単なるデザインではない彼らの生活ぶりと切実な祈りが表現されたものとして、作品をじっくり鑑賞していると物語が眼前化する思いがいたします。

刺繍サッシュ”ボカニ(ボカノ)”は、婚礼時に義母から婿に贈答される慣習を有しますが、ヒンドゥー・イスラーム・自然崇拝等の別を問わず、グジャラート・ラージャスターン及び現パキスタン側のスィンドを含めた広範な土地に生活する諸民族が手掛けてきたもの、民族固有のデザイン様式と伝統技術を反映しており、一目でどの民族・支族のものかが判る、つまりアイデンティティを表出する刺繍工藝でもあり続けてきました。

インド・グジャラート 遊牧民カッチィ・ラバリ 刺繍サッシュ ボカニ
インド・グジャラート 遊牧民カッチィ・ラバリ 刺繍サッシュ ボカニ

インド・グジャラート 遊牧民カッチィ・ラバリ族 刺繍サッシュ ボカニ
製作地 インド グジャラート州 カッチ地方 Gujarat Kutch
製作年代(推定) 20世紀中期
民族名 カッチィ・ラバリ族 Kachhi Rabari
素材/技法 木綿、絹、綾織木綿布、絹朱子織布、鏡片、貝ビーズ / オープン(スクエア)チェーンステッチ、オリエンタルステッチ、フィッシュボーンステッチ、コーチングステッチ、シーシャワーク(鏡片) 
サイズ 幅:約12cm × 長さ:約100cm

インド・グジャラート 遊牧民カッチィ・ラバリ 刺繍サッシュ ボカニ
インド・グジャラート 遊牧民カッチィ・ラバリ族 刺繍サッシュ ボカニ
インド・グジャラート 遊牧民カッチィ・ラバリ 刺繍サッシュ ボカニ
インド・グジャラート 遊牧民カッチィ・ラバリ 刺繍サッシュ ボカニ
インド・グジャラート 遊牧民カッチィ・ラバリ 刺繍サッシュ ボカニ
インド・グジャラート 遊牧民カッチィ・ラバリ 刺繍サッシュ ボカニ

(下は光学顕微鏡による画像)

インド・グジャラート 遊牧民カッチィ・ラバリ 刺繍サッシュ ボカニ
インド・グジャラート 遊牧民カッチィ・ラバリ 刺繍サッシュ ボカニ

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