20c初 絹麻交織地”海鳥&波模様”描き染め着物裂

製作地 日本 ※地域不詳
製作年代(推定) 20世紀初期 明治時代
素材/技法 経:絹、緯:麻、染料、顔料 / 交織、描き染め
サイズ 横幅(緯)35cm、長さ(経)69cm

薄浅葱の染め地に飛翔する海鳥と波模様が描かれた、20c初期明治時代作の着物裂。

染め色の瑞々しさが印象的で涼やかな意匠ですが、織り地として強撚の絹(経)と不撚の麻(緯)の交織布が用いられており肌触りも涼やか、単衣着物(帷子)の解き裂と推察されるものです。

生き生きとした飛翔姿の海鳥と躍動的な波頭模様の融合ぶりが見事、海鳥は白抜きに線描き、波は筆描き調のベタ塗りと巧みに強弱が加えられており、明治期と推定される作例ながら江戸職人直系の染め師の精神性を感じ取ることができます。

目にしていると清々しく大らかな心地となるような一枚です。

(下は光学顕微鏡による画像)

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