




黒檀(Maklua)染めの黒色木綿を経糸に、蘇芳(Mai Fang)染めの桃・紅赤と藍染めの絹を緯糸に緯絣の技法でつくられたプアン族(Phuan)の筒型腰衣パー・シン。
プアン族の古手の天然染色による絣は一目でそれと判る”固有のいろ”があり、本作品はその典型とも言える個性的かつ瑞々しい”紫蘇赤”の色合いが印象的な一品です。
目に映るいろの全体像が、実際にはどのような糸の染め分け及び重ね染めのディテイルにより構成されているのか、上に掲載の光学顕微鏡の画像で確認することができます。
白絹を染める蘇芳は色の濃淡により桃・薄紅・紅赤、空藍染め絹を重ね染めする蘇芳は紫・赤紫・臙脂の色を呈し、経の黒木綿と交り合う中で複雑ないろの視覚効果を演出しています。
蘇芳で染めた桃色掛かった橙色の木綿糸で織った腰布、白木綿の経浮紋織で立体的な表情を加えた裾布、紫蘇赤を基調色とする絣本体の3パーツの調和は見事で、目にしていると気持ちが穏やかに整ってくるような染色・織物作品です。

製作地 タイ東北部 イサーン地方
製作年代(推定) 20世紀半ば
民族名 タイ・プアン族 Tai Phuan
素材/技法 絹、木綿、天然染料 / 平地交織、緯絣、経浮紋織(裾布)
サイズ 全巾(経)152-156cm(筒状縫製)、全丈(緯)79cm(腰布部:7cm、裾布部:13cm)





