崩れゆく仏塔内の指先に

ミャンマー シャン州 インレー湖エリアにて

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ラオス フアパン県 サムタイにて

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初夏の匂い

ラオス フアパン県 サムタイにて

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フアパン タイ・デーン族 多色縫取織&緯絣・腰衣

「シン・コー・ミー(Sin Koh Mii)」と呼称される、タイ・デーン族(Tai Daeng)の手による縫取織及び絣装飾の祝祭用腰衣。

5色の絹で織り表されたボックス(バー)状の小紋と星花模様の絣のコンビネーションが見所の作品で、腰衣の表(画像1枚目)とともに織りに破綻の無い腰衣の裏(画像2枚目)を同時に目にすることで、一織り一織りにどれだけの手間暇と神経が注がれたものであるかが判ります。

本作品はやや特殊なつくりのもので、縫取織と絣の間に入る細いボーダー状の花小紋について、本来この部分は”経紋織(ムック・Muk)”の技法で表現されることが多い中、敢えて緯糸づかいの縫取織とすることで、模様の表情と構成に独自性と独創性が加えられております。

経糸の主体は藍木綿ですが、白絹・赤絹が交ぜられることで複雑な視覚効果をかもしており(緯絣による白太線模様は経緯絣のように目に映る)、さらに光学顕微鏡で観察すると藍は木綿だけではなく部分的に絹が交ぜられている様子も確認できます。

糸・染め・織りの細部を目にすればするほど様々な発見がある、精神的密度の高い一品です。

製作地 ラオス北東部 フアパン県 Hua Phan
製作年代(推定) 20世紀前期 1920-1940
民族名 タイ・デーン族 Tai Daeng
素材/技法 絹(カンボウジュ種)、木綿、天然藍、天然染料(ラック他) / 平地交織、縫取織、緯絣
サイズ 全巾(経)136cm(筒状縫製)、丈(緯)69cm

(下は光学顕微鏡による画像)

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メコンを辿って

ラオス北部 ヴィエンチャン ~ サムヌア

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月に照らされて

インドネシア スラウェシ島 タナ・トラジャにて

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田植えの季節に(3)

インドネシア スラウェシ島 タナ・トラジャにて

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田植えの季節に(2)

ミャンマー マンダレー地方域 アマラプラにて

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田植えの季節に(1)

ベトナム ラオカイ省 サパ近郊にて

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カンボウジュ種蚕繭(黄金繭)絹 × 天然染色緯絣 × 三枚綾織

絣の色柄はくっきりと力強く、斜めにはしるタテ畝は模様に軽妙なリズムを加え、1/2綾ヨコ絣の長所が見事に発揮された、生命樹・幾何学文のサンポット(腰衣)用カンボジア絹絣。

数十倍に拡大した画像を目にすることで、百年を遡る時代に手掛けられた作品の、素材面・技術面双方の充実ぶりと凄みが伝わってくるように思います。

製作地 カンボジア南部 コンポンチャム
製作年代(推定) 20世紀初期
素材/技法 絹(カンボウジュ種)、天然染料 / 綾地(三枚綾) 緯絣
サイズ 幅(緯)80cm、全長(経)192cm

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カンボジア南部 寺院&ナーガ模様 絹絣ピダン

製作地 カンボジア南部 (現ベトナム領内カンプチア・クロム)
製作年代(推定) 20世紀前期
素材/技法 絹(カンボウジュ種)、天然染料 / 綾地(三枚綾) 緯絣
サイズ 幅(緯)88cm、全長(経)169cm

仏教寺院本堂の天蓋装飾、仏像の荘厳布、祝祭儀式の幡等として用いられた、広義で「ピダン(Pidan)」と呼称されてきた種類のカンボジア伝統絹絣。

本ピダンは、高床式の建造物(寺院)と仏教を守護する蛇龍神”ナーガ”を主模様とする20世紀前期の作例で、敬虔な信仰のもとで生み出され使用される染織作品に固有の格調美・精神性の深みが実感されます。

黄金繭として知られるカンボウジュ種蚕繭絹の上質な手引き糸を、ラックカイガラムシから抽出されるラック赤、福木(プロフー)の黄、藍、黒の天然染料により”緯絣(ヨコガスリ)”の技法で括り・染め・織りしたもので、細部にまで神経の通った丹念な手仕事ぶりは、下に掲載の光学顕微鏡による数十倍の拡大画像において確認することができます。

染め分け・染め重ねの”色のきわ”は神々しく、三枚綜絖による綾地の織りはリズミカルで布の表層に立体的な”躍動感”をかもし出しており、細部に宿る美は全体の完成美と照応しております。

(下は光学顕微鏡による画像)

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カンボジア宮廷儀礼用 チャム系絹絞り布

製作地 カンボジア南部 
製作年代(推定) 19世紀末~20世紀初め
素材/技法 絹(繻子地)、染料 / 巻き締め絞り、縫い締め絞り、描き染め(藍)
サイズ 幅76cm、長さ182cm

インドネシア・スマトラ島の絹絞り”プランギ”に近しい意匠の、カンボジアの宮廷儀礼用絹絞り布。

クメール宮廷内でチャム人が手掛けた種類の染織作品であることが知られており、クメール人の手による仏教デザインの絞り染めとは異なり、イスラーム様式の幾何学文デザインであることに大きな特徴があります。布両端の鋸歯状模様に”生命樹”が描かれている点は印象的です。

海洋国家チャンパー王国の末裔とされるチャム人の文化的遺伝子が発揮された格調ある染織作品であり、インド、マレー世界、更には琉球王国と繋がっていた古(いにしえ)の時代に想いを馳せることに歴史の浪漫と愉しみが見い出せる一枚です。

(下は光学顕微鏡による画像)

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ラオス北東部フアパン 天然染色・伝統織物の完成美

製作地 ラオス北東部 フアパン県 Hua Phan
製作年代(推定) 20世紀前期 1920-1940
民族名 タイ・デーン族 Tai Daeng
素材/技法 絹(カンボウジュ種)、木綿、天然藍、天然染料(ラック他) / 平地交織、緯絣、緯紋織、縫取織
サイズ 全巾(経)132-138cm(筒状縫製)、全丈(緯)88cm(腰布部:22cm、裾布部:6cm)

一見して、作り手の志向する色が見事に現出した、製作に成功したであろうことが伝わる一品。

取り分け、ラックカイガラムシから抽出された染料による”赤”の色合いの明瞭さと力強さ、”紺”絣部分とのコントラストの効力は際立っています。

上下に別布を付して筒状に縫製した伝統腰衣シンですが、本体布は①絹絣、②絹綿交織絣、③縞、④緯紋織、⑤縫取織と様々な技法がひとつの織物中に加えられており、ラオス伝統染織における染め・織り双方での技術の高さと特徴を本作品から伺うことができます。

(下は光学顕微鏡による画像)

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19c 苧麻”空色地波に瑞亀模様”描き染め産着

製作地 日本 ※地域不詳 
製作年代(推定) 19世紀末 明治時代初期
素材/技法 苧麻、天然藍、顔料 / 平織、筒描、描き染め
サイズ 裄丈36cm、袖巾20cm、袖丈54cm、身丈94cm

苧麻織り地に筒描と描き染めの技法により”波”と”瑞亀(ずいき)”の模様が表された一つ身・単衣の産着(祝い着)。

経緯とも撚りをかけない平糸で織られた麻地は繊維・糸が極めて繊細で柔らか味があり、布の質感と純白具合から”奈良晒(ならさらし)”若しくはそれに伍する極めて上質な苧麻晒布が用いられている様子が伺われます。

そして上質な晒布ゆえの藍の染まりの美しさ・明度の高さは特筆すべきものであり、本産着に見られる空藍の色調は幕末期~明治初期の晒布着物の残存作例と符合するものとなります。

子供の健やかな成長を祈って描かれた”瑞亀””波”の絵柄は生命感・躍動感に溢れ、袖の”松皮菱と波”、身頃・袖に配された”丸に片喰”五つ紋の端整な染めを含め、江戸職人仕事を継承する紺屋・染め師が手掛けたものならではの精神性の密度の高さが実感される一品です。

(下は光学顕微鏡による画像)

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風渡る竹網代の校舎で

ミャンマー マンダレー地方域 バガン近郊にて

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19c 幕末~明治初 木綿・絹交織”唐草模様”型染裂

製作地 日本 東北地方?
製作年代(推定) 19世紀後期 幕末~明治時代初期
素材/技法 木綿、絹、天然藍 / 型染、片面染め ※先染め木綿糸(藍)と無染絹糸の交織布使用
サイズ 幅(緯)32cm、長さ(経)47cm

藍の濃淡により”唐草模様”が表現された19c幕末~明治初期の型染布。

木綿の生産と型染が民間に流通するようになった江戸時代中期以降、この種の大ぶりの唐草連続モチーフの藍染め布は夜着・蒲団表等の用途を中心に使い勝手の良い意匠・模様として広く・長くもてはやされてきました。

そのため今でも多くの残存作品・資料を目にすることができますが、本品はこの手の唐草型染の素材に一般的な木綿・麻ではなく”木綿と絹の交織布”が用いられている点で珍しい作例と言うことができます。

さらに光学顕微鏡の画像で確認できるように、淡藍部分の絹は藍に染まっていない無染白色であり、つまり淡藍に染めた先染め木綿糸と無染絹の交織布を敢えて用いている点においてなかなか目にすることの無い特殊な染織作品と位置づけられます。

発注者の意図によるものか、紺屋のこだわりによるものなのか分かりませんが、何らかの理由と想いがあって作られた布であり、固有の美の生命が感じられる一枚です。

(下は光学顕微鏡による画像)

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18c シャム王国向け 古渡り”仏手”インド更紗裂<2>

製作地 インド南東部 コロマンデル海岸エリア Coromandel coast
製作年代(推定) 18世紀初中期
渡来地・使用地 シャム王国 アユタヤ王朝期
素材/技法 木綿、天然染料 / 木版捺染、手描き(カラムカリ)、媒染、防染、片面染め
サイズ 横20.5cm、縦15.5cm

(参考画像) 「タイ・バンコク国立博物館」所蔵の同手模様シャム更紗 18cアユタヤ王朝使用

インドで手掛けられ、アユタヤ王朝期18世紀のシャム王国(タイ)にもたらされた宮廷儀礼用布としての古渡りインド更紗。

菩薩様(天人テパノン)が主模様となる所謂”仏手(ほとけで)”として知られる種類のもので、当時日本においてもこの仏教的意匠が珍重され、大名・富裕商人を中心とする茶人が”暹羅染(シャムロ染め)”の呼称で愛好した様子を、今に伝わる茶裂(仕覆・包み等)や裂帖等によって確認することができます。

本裂は「タイ・バンコク国立博物館」所蔵のアユタヤ王朝使用儀礼用更紗と同手であり(上掲画像参照)、メーンパネルにはやはり菱格子と菩薩の連続模様が配されていたものと推察され、この部分は日本で茶裂に仕立てられた可能性を指摘することができます。

仏法・王国を守護する蛇龍神”ナーガ”及び”菩薩”に挟まれてタイ宮廷舞踊”ラーマキエン(コーン)”由来の踊り子姿がボーダー模様として描かれた本インド更紗は、王宮内において実際にどのような場面で用いられたものなのか、或いは直接・間接に日本に舶来したのちどのような数寄者が所蔵・使用したものなのか、想像がひろがります。

20cm×15cmの断片裂、そのうちに無限の浪漫が包有される一枚です。

(下は光学顕微鏡による画像)

本ブログ内の関連投稿  18c シャム王国向け 古渡り”仏手”インド更紗裂<1>

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秋の日に

中国 貴州省 黎平県肇興鎮にて

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19c 東北地方 ”大麻・木綿”交織縞格子 祭礼幕

製作地 日本 東北地方
製作年代(推定) 19世紀後期 明治時代
素材/技法 木綿、大麻、天然染料 / 垂れ布:木綿(経)×大麻(緯)交織、乳:木綿平織
サイズ 幕全形:横幅約200cm、縦(乳含む)約155cm、垂れ布の一巾:約33cm

東北地方で19c(明治時代)に手掛けられた横幅約2mの乳付祭礼幕。

経に木綿・緯に大麻を用いた交織の縞格子布が織り巾のまま6枚垂れ布として配され、縞木綿の乳が加えられた比較的簡素な仕立てのものですが、藍とともに刈安(かりやす)の黄染めが染色に用いられており、掛け合わせの緑色と藍の濃紺、そして刈安単色の濃淡の黄色を巧みに配した縞格子模様に固有の華やぎが薫ってまいります。

経年と使用により黄染めが褐色することで落ち着いた色味となっておりますが、製作当初はより明度・彩度の高い”萌黄色”に近かったのではないかとも推察されます。

光学顕微鏡による拡大画像で判別できるように、縞格子布の緯に用いられた大麻は極めて細く裂かれ束ねられ、強めに撚りがかけられた堅牢な糸が用いられており、柔らか味のある手紡ぎ木綿と天然染料を併せ上質な素材のもと丹念な手仕事により生み出された様子が伺われます。

質朴ながら全体及び細部にしっかりと美の生命が宿る一品です。

(下は光学顕微鏡による画像)

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北海道アイヌ 19c ”靭皮繊維・木綿”交織&スプラング 刀掛帯

製作地 日本 北海道
製作年代(推定) 19世紀
素材/技法 木綿、靭皮繊維、ベルベット(房) / 緯もじり紋織&巻き織、スプラング、刺繍
サイズ 帯全体の長さ:約142cm、帯(胴部)の幅:約6.5cm、先端の房の大きさ:縦9cm×横12cm

北海道アイヌが19世紀に製作した刀掛帯(太刀綬)”エムㇱアッemusat”。

アイヌ男性が儀礼用太刀を身につける際および太刀を祭壇に飾り付ける際に用いられたもので、自製の靭皮繊維と外来の木綿を主素材に織り・編み・縫い・刺しの技法を駆使し、アイヌ女性がカムイ(神)への祈りとともに手掛ける伝統を有してきたものとなります。

本刀掛帯は靭皮繊維を素材にスプラングで成形された肩掛け部、経に靭皮繊維・緯に多色の木綿糸が配され緯もじり紋織と巻き織により幾何学文様が表現された胴部、黒のベルベット地に刺繍により伝統モチーフが表現された装飾房で成形されたもの、刀通し部の表面に配された多色綾地の縞木綿を併せ、様々な素材・技巧により構築された作品からは固有の美が匂い立ちます。

先にご紹介の刀掛帯では肩掛け部と胴部は一連の織物ですが、本刀掛帯ではスプラングと紋織の別パーツとなっております。まったく同じ表情のものはなく”世界にひとつ”であることが、このアイヌ刀掛帯”エムㇱアッ”の特色と言えます。

(下は光学顕微鏡による画像)

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